「八王子市市街化調整区域基本方針(素案)」に対する意見

「八王子市市街化調整区域基本方針(素案)」に対する意見



「八王子市市街化調整区域基本方針(素案)」に対する意見

「住所」八王子市堀之内862・「氏名」 鈴木亨  農業

市街化調整区域の今後
八王子市は東京都の周辺都市としてはとても緑豊かな市として知られています。 多摩丘陵、加住丘陵、高尾山や陣馬高原と広い自然豊かな街です。 そのために市街化区域よりも市街化調整区域は市全体の57パーセントと半分以上の土地を有します。 八王子市は面積も広いことから東京都の農業生産高も都内でもトップではありますが、現状は専業農家の減少、 特に高齢化が進んでいます。八王子市の市街化調整区域土地利用基本方針の策定に向けた市民アンケート調査によると 市全体でも60歳以上の高齢化が半数以上になっています。同様に調整区域の所有者の年齢も60歳以上が大半となり、 今後の調整区域での将来が問われています。 アンケート調査によると調整区域の所有者の職業を見ると31パーセントが農業です。その農業の現状が高齢化が進んでいます。

市街化調整区域は特に八王子市の西側の恩方、川口、加住に広くありますが、 問題点を所有者の30パーセントの農家で捉えて考えてみたいと思います。 現実には専業農家の減少、農業従事者の高齢化の問題、そして農業を続けていくうえでの当然起こる相続問題などもあります。
専業農家の減少により農地の利用の低下、遊休地の増加です。これは市街化調整区域に限ったことではありませんが問題となっています。 その農地利用のあり方と言う問題点で言うと、八王子市の市街化調整区域土地利用基本方針検討委員会と言う報告の中にも 利用される農地として保全に向けて総合的な農業振興策を推進とあります。 これは調整区域に限ったことでなく八王子市全体の農業問題でもあります。 その農業振興策の中で、この数年で農地の法的な農業振興策がかなり変わってきました。 市街化調整区域であれば農地の有効利用と言うことで市民でも新規就農ができるようになってきました。 都内でも瑞穂町、青梅市などで新規就農農家が活躍する時代になってきました。 残念ながら、まだ八王子市ではその実例がありません。

農林行政の動きもそれを推進する体制にもなっていないのが現状です。 そのような新しい人の活用を推進するような市民サービスがなければ農地有効利用、 高齢化と言う大きな課題を乗り越えることはできないと考えます。
 アンケート調査によると市街化調整区域の所有者の住まいは市街化区域に住む人が市街化区域に住んでいる人が約半数います。 農家の継続と言うことから大きな問題として農地相続と言う問題があります。
市街化区域は資産価値が高いため、相続問題が起きると相続税を払うために利用価値の低い調整区域の放棄と言うことが一般的であり、 その土地が資材置き場などのような状況になってしまうのが現実です。それに対しての問題を解決することはとても難しい現実があります。 そのことによって大きな問題を引き起こします。 それは八王子市と言う場所で都内でも特に多い資材置き場、駐車場、残土置き場、無秩序な土地利用です。 加住地区では残土による土砂の流失による災害が人災として起きてる現実も高度経済成長時代からありました。 土地利用の中で八王子市では開発指導課による残土条例と言う規制が八王子市独自ではありますが問題になってる現状です。

 市街化調整区域土地利用基本方針検討委員会の中で提案されてる調整区域での「緑豊かな自然環境を保全すべきである」 と提言されています。八王子市の他市にない特徴として「緑豊かな街」、八王子市です。緑の保全はとても大切なことです。 大前提です。その提言されてる保全の優先度の高い区域の位置づけです。
最近ではよく言われる「里山」「里山保全」という言葉が行き交っています。 あきる野市の横沢入里山保全地域が東京都で第一号で住宅開発を断念したJR東日本が東京都に寄付されたものでした。 その後、八王子市の堀之内で47番目に横沢入りに次いで第二号に指定されています。

東京都の緑地保全指定の状況
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/natural_environment/tokyo/area/index.html

堀之内里山保全指定
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/natural_environment/tokyo/area/47_horinouchi.html

堀之内里山保全指定されたところも多摩丘陵内にある市街化調整区域内です。その問題として里山を維持すると言う課題があります。 横沢入りについても同様の問題でもあるようです。その良好な自然環境が残る区域を現状の土地利用のままで 保全すると検討委員会では提言されていますが、里山保全の課題でもあります。
問題点は「どう市民がかかわるかです」堀之内里山保全地に指定された経緯は里山保全にかかわる活動があると言うことです。 市民団体である市民活動グループ、NPO里山農業クラブ、自然保護活動、東京都の長沼公園などを自主管理してる多摩丘陵自然を守る会、 市民グループの由木ファーマーズと言った人がかかわってきたことで里山指定されてきました。 ただ、現実として横沢入り、他のそのような環境に取り組む市民団体も年齢の高齢化がとても進んでいることです。 八王子市にはいくつかの環境を守り育てるNPOがあります。そのような団体の支援をどれだけやれるかです。 これがなければ自然豊かな緑の保全は難しくなってきます。

この里山は自然と農地があり活用することです。その農地は農林行政、自然は八王子市の場合は環境保全課です。 その仕組みの中で堀之内であったことは自然をまもることから始まっています。自然豊かな地、活用される農地が存在します。 農業を推進すると言うことはその地域環境を守ることから始まります。 そのことがとても大切なことです。農業振興策などとよく言われますが地域がそのような環境政策がない限り 永続的な農業などと言うものは遂行されることはないことです。 都市計画、農林行政が一堂になって進めなければ農業振興策などと言うもの生まれてきません。  里山活動を推進するなかで特にこれから必要になってくるのは市民が調整区域の自然とかかわれる場を作ることが必要と考えられます。 実例として、長池公園や堀之内寺沢里山公園には市民の集える場があります。 市民がかかわれるコミュニティを盛り上げるには地域で活躍することのできる拠点づくりを地域ごとに担保していくことが 市街化調整区域の活性につながっていくものと考えます。

都市近郊の農業のあり方として最近農業体験農園で農業経営が盛んになってきました。 これは一見すると八王子市で行われてる市民農園のように見えてしまいますが、 これは農家が農業指導するなかでの市民の農業体験ができる仕組みです。 今後、この手法による農家自身の取り組みとして期待されてきています。 現在、八王子市では特定の農家で援農と言う取り組みがありますが広くは進んでいない状況です。 農家自らの開設することで都市近郊農業の位置づけにもなっていくような施策を八王子市も取り組む中で 市街化調整区域の農地活用をすることで市民との協働による街づくりにもなると考えられます。

農業体験農園の紹介資料添付します。
<体験農園「大泉 風のがっこう」の概要>
http://jaef.la.coocan.jp/ifaj/jpn/document/shiraishi.htm
http://www.ja-zenchu.websozai.jp/pdf/38_05a.pdf?dl=true
http://janjan.voicejapan.org/living/0803/0803210269/1.php
農業体験農園
http://tokaigi.com/chamber/garden.htm

農業体験農園の紹介(東京都農業会議からの資料)
http://www.tnt-net.co.jp/ossan/0426/hachioji-city/taiken.pdf

  今後、期待される調整区域の活用すべき適正な土地利用です。 社会全体が今後高齢化していく社会です。緑豊かな地で暮らす社会が八王子市ではできるのではないでしょうか。 確かに八王子市は大学や福祉施設の特養や入所施設がたくさんあります。これはそれなりに国の基準に従って作られたものです。 そして、今後社会全体が高齢化していく中で、そのような施設を誘致することはこれから重要になってくると考えます。 それは、緑豊かな施設の創設でそこには市民の雇用があり働く場にもなることです。しかし、 八王子市の方針(平成25年)では社会福祉法人の新規創設は認められないことになってしまいました。しかし、 八王子市と言う55万人(八王子市ホームページから)という人口です。
住民基本台帳人口
554,413人
(平成23年1月1日現在)
大きな大都市八王子市の市民の高齢化を考えると市街化区域と隣接する調整区域の活用として考えていく必要があると考えます。 そのような施設だけでなく、福祉施設の問題として八王子市にはたくさんの障がい福祉施設がたくさんあります。 今、今年度で打ち切られる施設の法内化、障がい者自立支援法と言うことで今後の施設のあり方が 問われてることで大きな問題になっています。そのような受け皿として調整区域の土地利用の活用は今後問われるものと考えます。


鈴木亨
牧場のおっさん
http://www.tnt-net.co.jp/ossan/


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『農業でまちづくり』若き新規就農グループ




牧場のおっさんへ